断らないスタイルを貫いて、スキルアップに繋げよう
すぐに「できない」と決めつけていませんか?
ここ最近の就職現場でしばしば耳にするのが「ゆとり世代」という言葉です。
「ゆとり世代」とは厳密に言うと1988~1996年の間に生まれた人たちのことで、いわゆる当時全国的に実施されてきた「ゆとり教育」を義務教育期間にフルで受けてきた世代ということになります。
ゆとり教育が実際のところ世代全体の人格形成にどのくらい影響を与えたかということは研究者ではないので断定はできませんが、確かにこの年代ころの若い世代には一定の共通した特徴があるようにも思います。
その中の一つが「すぐに諦める」ということです。
どのくらいから先を「すぐに」と言うかはそれぞれ人によって感覚が異なることかと思いますが、例えば何かを作るように仕事を頼んだときとりあえずやってみてから「できません」と言うのではなく、ちょっとしたトラブルや難題があるとすぐに「できません」とさじを投げてしまうということがよくあります。
参考>>第3回:ゆとり世代って、本当に使えないですか?秋元博英氏
もちろん自分のキャパシティ以上の問題をわざわざ引き受けてギリギリまで「できません」と言わないというのも周囲のスタッフからしてみれば迷惑なことではありますが、年配世代から見て「おいおい、もうちょっと頑張れよ」と思えるほどあっさりと白旗を上げるということが多いのです。
やったことがないこと、これから勉強しなければいけないことに対しても及び腰になっていることが多く、これは「失敗したくない」という気持ちを極度に持ち続けてきた人なのかなと思ったりもします。
一応付け加えておくと、ゆとり世代だけではなく別の年代にもこうしたタイプの人はいるということはわかっています。
新人のころだからこそ断らないでほしい
何か頼まれたことを断わらなくてはいけない場面は生活をしていると必ず出てきます。
どうしてもスケジュールが合わないときや、金銭の貸し借りのように気持ち的にやりたくない・やってはいけないことだと思えるときなどには、はっきり断った方が相手のためになります。
しかし仕事においてよく遭遇する、それをしたからといって自分にとって何か得があるとは思えないといったときはどうでしょう。
そんな時には相手にどうしてそれができないかということを説明しつつ断っていくことになりますが、言い方によっては相手からの印象を悪くしてしまい、その後の付き合いを悪くしてしまうこともあります。
年配の人などは若い時期に人間関係のつながりや上下関係を強く教え込まれているので、多少は無理と思えることもなんとか引き受けようとして自分を追い込むようなこともあります。
ですが比較的若い世代の人はそうした周囲との人間関係よりも自分自身の損得や能力の幅を判断して、わりとあっさりと断りをしてきます。
自分にとってやりたくないことは仕事をしていれば必ず出てきますし、できれば誰でも断りたいことはあります。
しかし若い世代の人は若いうちだからこそ、本当は断りたいことも少し考えてできるだけ引き受ける方向に思考を切り替えてもらいたいと思います。
今自分が考えている適正だけがすべてではない
就職活動においては必ず「自己分析」をさせられますので、多くの新入社員は自分はどういう適正でどういったことに向いているかということを自分自身で意識した状態で入社してきます。
私はこれはあまりよいことではないのではないかと思ったりします。
というのも若い時期というのはまだまだ伸びしろのたくさんあるときですし、それまでの自己分析が必ずしも正しく行われているとは限らないからです。
早いうちに自分の適性を決めつけることは、適正以外のことは極力引き受けずに、自分のやりたいことだけを追求するという狭い視野を作りだすことにもなってしまいます。
確かに失敗することは怖いことですが、若い時期の失敗は年配になってからよりもずっと寛容に扱われるものであり、ある意味その時期にしかできないことです。
自分にはできそうもないことや、勉強が必要なことこそ積極的に引き受けるようにしてみてほしいところです。