新しい働き方提案!家庭にも優しいノー残業という働き方
残業ゼロを目指すには企業の本気度が問われる
少子化対策と女性の社会進出のための施策の一環として今多くの企業で呼びかけられているのが残業時間の短縮です。
国としても働き方改革が推進されているため、正確な勤怠管理の徹底、
残業時間の見える化を図る企業が増えてきています。
しかし、実際のところは残業時間を削減するための対策を取れていない企業が多いばかりか、
ブラック企業のように悪質に隠す企業も増えているというのが現状です。
残業時間ゼロに成功したランクアップの場合
そんな中でトップの指示により残業時間ゼロを達成したとして有名になったのが2005年創立の化粧品会社「ランクアップ」です。
「ランクアップ」は、オリジナルブランドの化粧品である「マナラ化粧品」を開発販売している企業です。
創業以来残業時間ゼロをかかげつつ、高い業績アップを実現しているとして大きな注目を集めています。
2014年の売上高は59億円にもなったとして、ワークライフバランスを実践する企業の見本的な存在としても知られています。
ランクアップは決して巨大な企業というわけではなく、59億円の売り上げを達成した2014年度の時点での従業員はアルバイトを含めてもわずか41名、そのうち女性が9割となっています。
しかもそのうち19人はワーキングマザーであり、かつここ3年間の離職者はゼロという驚異的な数字となっています。
女性が離職しない会社を目指した結果
ランクアップは女性スタッフが多いということもあってか、やはり残業時間を短くしてほしいという要望は潜在的にあったといいます。
そもそもどうして残業をしなければいけないかというと、それは決められた時間内に仕事が終わらないからです。
どうして仕事が終わらないかというとそれは、仕事そのものの分量がそれをする本人の力量に適したものでないか、そうでなければ仕事の方法そのものに無駄があるということになります。
多くの企業はそうした「どうして残業しなければいけないのか?」という根本的な問題をないがしろにして、増える業務はそれを担当する人員の責任とばかりに時間を犠牲にすることを当然のように押し付けてきたのが今の日本です。
ランクアップはそこに思い切ってメスを入れ、どうして残業せざるを得ないのかということをスタッフ全員で考えて取り組んできた結果現在のような形にすることができるようになりました。
また一般の企業でありがちな社内のコミュニケーション行事も女性の場合はあまり好まないことが多いため、そこから社内行事によるコミュニケーションは他の形で代用できないかということも突き詰めて実践しています。
本来ならば誰の目にも見えていながらタッチしなかった問題に正面から立ち向かったというところにこのランクアップという企業のすばらしさが凝縮されているといえます。
仕事をするための仕事をしないこと
一般的な傾向ですが、男性よりも女性の方が残業をしない企業を好むようです。
これは自宅に帰ってから子供の世話をしたり、家事をしなければいけないという家庭環境の問題だけでなく「余計な時間をだらだら仕事のために使いたくない」という意識が強いためであるといえます。
だらだら残業というのは言ってみれば「仕事のための仕事」をするための時間と言ってもよく、昼間の仕事の事務処理であったり、社内での自分の評価や上司の目のためにしていることとなります。
そもそも会社が絶対的に人員不足の中で従業員に残業を強要しているというのは問題外ですが、社内全員が「残業をなくしたい」という意識を持たなければこうした取り組みを成功させることはできません。